2018年06月30日 18:57
佐久甲州街道・信州編
出発地のJR小海線野辺山駅は、標高1,345メートルで眼前に八ヶ岳連峰を仰ぎ駅周辺の野辺山高原は、高原野菜の産地として脚光をあびております。かつてこの野辺山原は高冷地で3里余の原野は無人の荒野で佐久甲州街道(佐久往還)屈指の難路でした。駅から南へ30分歩くと野辺山宇宙電波観測所があります、その近くに三軒屋跡がありました。三軒屋とは茶屋跡で徳川幕府が行旅人が雨雪を避難できるよう移設し救護にあたらせた場所で往時の難路を偲ばせる所です。この先の平沢峠は、佐久甲州街道ただ一つの峠で頂上に立つと八ヶ岳連峰、甲斐駒ケ岳などが聳えますが、天候に恵まれず仰ぎ見ることはできませんでした。ただニッコウキスゲが最盛期を迎えており飯盛山を往復するハイカーも大勢いました。さらに先の海ノ口城主平賀源心の胴塚碑周辺は平沢古道の面影が残っていました。草木に覆われ足を踏み入れる余地はありませんでした。平沢峠を下ること約1時間30分すると南牧村平沢地区になります。かつての信州7宿最南端の平沢宿場です。山梨県かと錯覚を覚えるほど県南に位置し高原野菜御殿が林立していました。宿場の面影は薄く村中の道祖神と筆塚遺構がかつての面影を留める程度でした。往時は塩を始め材木などの物資輸送や善光寺詣り、身延山詣り、伊勢参りの休憩宿として存在感がありました。