2016年10月25日 19:11
国道158号の東京電力三殿ダム上流に梓川の渓谷が美しい「鵬雲崎」があります。この地に野麦街道の面影漂う馬頭観音がありました。険阻な断崖上の山越えであり苦労が多かったと思います。稲核集落には風穴が何カ所もあり、かつては天然の冷蔵庫として県内外の蚕種冷蔵用などに利用されていました。稲核から先の街道は梓川右岸にありましたが、すでに廃道になっています。安曇支所がある徳本峠入口近くの橋場集落は、松本藩が口止め番所を置いた場所で、梓川の天然の岩盤上に刎橋構造の「雑炊橋」を架けました。どんな洪水にも流されることはなかったとのことで、信濃の国の安曇郡と筑摩郡をつなぐ要衝地でした。現在は斜張橋の橋になっていますが、雑炊橋は恋伝説「お節」と「清兵衛」が雑炊を食べて質素倹約したことがきっかけで橋が架かり名前がつけられたとのことです。橋のたもとに「後の世の人の為ともなりにけり恋故かけし谷川の橋」と謳われた石碑がありました。